ハイドロキノンとは、ヒドロキノンを主成分とした薬剤で、高い美白効果が期待できます。
肌の細胞には色素細胞という細胞が存在し、この細胞に紫外線が当たると紫外線から肌を守るという目的でシミの元となるメラニンを作り出すという特徴があります。
ハイドロキノンは紫外線が色素細胞にあたった際にメラニンを作るために出てくる酵素を抑制する働きがあり、この酵素が抑制されることによってメラニンの生成を抑制します。
そのため、ハイドロキノンは肌の漂白剤と呼ばれています。
また、ハイドロキノンは予防するだけでなく、皮膚に沈着したメラニン色素にまで働きかけることから注目の成分なのです。
トレチノインとの同時使用でレーザー治療では改善が難しいとされている肝斑にも高い効果を発揮します。
また、火傷後の色素沈着や乳輪などの黒ずみにも利用できます。
シミは、表皮の一番深い層(基底層)周辺にメラニン色素が沈着しており、メラノサイトと呼ばれるメラニンを作る細胞があります。
メラノサイトの活性を抑制し、メラニンの産生を抑制することがハイドロキノンの働きの一つで、メラノサイトの中でチロシンという物質からメラニンが作られる過程をブロックすることでメラニン自体を減少させる働きもあります。
・ハイドロキノンは非常に強い成分であるため、人によっては肌に合わず、炎症や赤みを起こす場合があります。
また、炎症や赤みが出てしまった場合は使用を中止し、当クリニックへご連絡ください。
・「長期的の使用」や「高濃度ハイドロキノンの使用」による白斑が出る可能性ことがあると言われています。
ハイドロキノンはメラニン色素が作られるメラノサイトそのものの働きを抑制する働きがあります。
そのため、1年以上の長期間の使用によりメラニン色素を作る働きを失った皮膚は、部分的に色が抜け、白斑となる可能性があります。
□ 日中の紫外線対策
・ハイドロキノン使用時は「日焼け止めなしで海に行くようなもの」なので、紫外線の影響を受けやすい状態となります。
・朝、ハイドロキノンを使用した場合は、必ず日焼け止めをつけ、紫外線対策をしてください。
□ 酸化しやすい
・ハイドロキノンは非常に酸化しやすい成分で、長期保存ができません。
・開封後はできるだけ冷暗所に保管し、1ヶ月程度で使い切るようにしてください。
・古いハイドロキノンを使用した場合、ヒリヒリなどの刺激感を強めてしまう可能性もあります。
薬品名 | ハイドロキノン |
形状 | クリーム |
使用方法 |
・洗顔後、化粧水や美容液等でお肌を整えた後に使用してください。 ・適量を手に取り、肌の気になる部分に薄く伸ばしてください。 ・体の気になる部分へのご使用も可能です。 |
料金 |
■ハイドロキノン4% 5g ¥2,200(税込) ■ハイドロキノン5% 30g ¥8,800(税込) |
*ハイドロキノンを使用している期間は、日中の外出時には必ず日焼け止めを使用してください。
*長時間、強い紫外線にあたる場合には、夜のみの使用をおすすめします。
□ 成分の特性上、開封後変色(茶色)する恐れがあります。
□ 冷凍庫で、なるべく空気に触れないよう保管し、早めに使い切ってください。
□ 変色した場合は、使用をやめてください。
□ 傷、湿しん等肌に異常のあるときは使用しないでください。
□ 肌に合わない場合には、使用を中断してください。そのまま使用を続けますと、症状を悪化させることがありますので、当クリニックにご連絡ください。
□ 乳幼児の手に届かないところに保管してください。
□ 極端に高温、又は低温の場所、直射日光の当たる場所には保管しないでください。
有効美白成分の中にはアルブチンやビタミンC、コウジ酸などさまざまな美白成分がありますが、ハイドロキノンはこういった美白成分の約100倍の美白効果があるとされ、有効美白成分の中では現在ハイドロキノンに勝るものはありません。
【Q1.どのくらい続けると効果が出ますか?】
通常は3ヶ月ですが、臨床効果は可逆性ですので、中止すれば元に戻ります。
効果があり副作用がないときには長期間継続していただいても問題ありませんが、まれに外用部が白斑になることがあります。
【Q2.誰でも使えますか?】
ハイドロキノンのアレルギーのある方、反応が強い方の使用はお勧めできません。
【Q3.レーザー治療とどちらがよいですか?】
レーザー治療を行った際もハイドロキノンクリームを併用します。
ハイドロキノンとレーザー治療を併用することが一番効果的です。
レーザー治療ができない肝斑(かんぱん)や炎症後の色素沈着に対しても、ハイドロキノンは使用できますので、症例を限ればレーザー治療よりも適当なことがあります。
【Q4.トレチノインと併用できますか?】
トレチノインと併用していただくとより効果的です。
トレチノインで、すでに作られているメラニンの排出を促進し、ハイドロキノンで新たなメラニンの産生を抑制することが治療の基本となります。