こんにちは、院長の前田です。
今回は、 シミ・シワ・たるみの原因の一つになっている“光老化”についてお話します。
以前は、光老化といってもなんのことがわからずに、UVケアの重要性が認識されていない時期もありました。
そして、残念ながら薬機法でも、化粧品の効能として、光老化に対する効能はまだ認められていません。
しかし、実際は肌の老化には、加齢による老化と日光の紫外線による光老化があります。
日光にさらされる肌の老化は、およそ80%が紫外線によるとされます。
健康で美しい肌を維持するため、日光のあたる部位の紫外線対策が重要です。
地表に届く全紫外線のうち、約95%をUV-A(紫外線A波)が占めます。
このUV-Aが厄介で、エネルギーは弱いものの、照射量が多く、浸透力が高いので肌に与える影響は深刻です。
20~30%が肌の奥の真皮層にまで達すると考えられており、ハリや弾力を生むコラーゲンやエラスチン、ヒアルロン酸などを作り出す繊維芽細胞に損傷を与えます。
その結果、UV-Aを浴びた肌は弾力を失い、シワやたるみといった肌の老化現状を起こすと考えられています。
有名な写真なのでご存知の方も多いと思いますが、69歳のトラック運転手が25年間、トラックの左側(左ハンドル)の窓から差し込む紫外線を浴び続けた結果、顔の左側の老化が進んだものです。
UV-Aの特徴は、
・波長が長く、表皮だけでなく肌の奥の真皮まで届く
・雲や窓ガラスを通して肌まで到達する
・赤みや炎症が起きにくいので気がつかないことがある
・日常生活を送る中で「うっかり日やけ」をしやすい
紫外線は晴れの日だけでなく、曇りや雨の日でも降り注いでいます。
例えば、曇りの日でも晴れの日の約90%もの紫外線があるので、しっかりした日やけ対策が必要です。
また、紫外線は上から降り注ぐだけでなく、空気中の排気ガスなどの微粒子に当たって散乱したり、壁や地表で反射したりするので、横からも下からも浴びています。
コンクリートや砂からは、土に比べて多く反射するとされていますが、特に、海や雪面からの反射量はとても多いとされています。
リゾートシーンでは、よりUVカット効果が高いアイテムが求められるのも、こういった理由からです。
街で日傘をさして安心と思っても、道路や建物からの反射光で、完全にシャットダウンできているわけではないのです。
老化させたくない部位には、忘れずに日やけ止めを塗って、照り返しによる日やけも十分注意すべきです。
UVAは朝から少しずつ増え続け、正午前後がピークになりますが、夕方にかけてもあまり減らないので、日が出ている間は日やけ止めなどの対策が必要です。
濃いシミや深いシワといった深刻な光老化は、一度肌にあらわれてしまったらスキンケアでは対処できません。
手遅れになる前に、季節やシーンに関係なく、日中は必ず日焼け止めを塗るよう徹底することが大事です。
また、光老化の進行を食い止めるには、2〜3時間おきにこまめに塗り直すことも大切なポイントです。
UV-Aから肌を守るために、日やけ止めを選ぶ際には、SPFだけではなく、PAの数値もしっかり確認し、美肌の大敵である紫外線を上手に防御してください。
未来の美肌のためにも、正しい知識をもって、毎日コツコツUVケアを積み重ねていくとよいでしょう。
シミ、シワ、たるみの原因となる光老化は慢性の紫外線傷害で、加齢による老化に上乗せの形で起こります。