こんにちは、院長の前田です。
ダーマペン4の魅力は、ご自身の回復力によってもたらされる効果であり、成長因子によるサポートがあるにしても、自然回復力のみに依存した治療です。
基本的には月に1回、少しずつ古い皮膚を新しい皮膚に置き換えていきますので、回数を重ねた方が変化を感じられるのですが、人工的に手を加えたわけではありませんので、そこに不自然さはありません。
ダーマペンは毛穴やニキビ跡の治療法の一つとして、発展してきた経緯がありますが、最近ではエイジングケア目的の方がむしろ、浸透している印象です。
ダーマペン4は、皮膚表面にマイクロチャネル(肉眼では見えない細かな穴)を作成し、真皮内へ栄養成分や薬剤を浸透させる治療ですので、そのチャネルの数と質が治療効果を左右する重要な要素となります。
最新機種のダーマペン4は、16本の針が1秒間で最大120回振動しており、皮膚表面を1秒なぞるだけで、約2,000ヶ所のマイクロチャネルが作成されます。
1分で約12,000ヶ所という驚異的な超高速化は、様々な面で恩恵をもたらしています。
旧型なら時間が数十分ほどかかっていましたが、今は数分で終わってしまうので、短時間で治療が終わることは痛みの軽減に大いに役立ちますし、超高速で垂直に作成されるマイクロチャネルは旧式の治療と比較して、大幅にダメージを低減しており、治療効果を上げています。
では、この最新型ダーマペンでのマイクロニードルセラピーに、何かデメリットはないのかと言われれば、いくつかの難点が存在します。
一つ目は表面を刺激する際の不快感です。
ダーマペン4の本社があるオーストラリアでは、マイクロニードルセラピーが盛んに行われていますが、不快感に対して塗る麻酔などを使用することは少なく、麻酔なしで手軽に短時間で施術を行うことが多いそうです。
麻酔なしでも多くの方が耐えられる程度の刺激ですから、表面麻酔を行えば、刺激感や不快感はほぼ感じることはありません。
2つ目は施術後の赤みとガサガサ感です。
初期型の頃は治療後、医療用のワセリンを塗布するのみでしたが、現在ではダーマペン4専用の医療用ファンデーションが開発されており、赤みを隠して帰宅いただくことが可能となりました。
このファンデーションは秀逸で、治療直後で繊細な状態の肌に塗布しても問題のないUV成分や抗菌成分を配合しており、さらに火照って炎症を起こしている皮膚を鎮静化させるクーリング成分まで配合されています。
翌日以降の赤みやガサガサ感は、スキンケアで十分に保湿していただくことで、赤みのカバーが可能です。
ダーマペン4とフラクショナルレーザーと違いは2つあります。
熱の影響がないことと、治療の密度に大きな差があることです。
フラクショナルレーザーは各種波長のレーザーを用いて、点状(フラクショナル)に皮膚に熱凝固層を作成したり、蒸散させたりします。
これに対して、ダーマペン4ではステンレスニードルを使用して皮膚表面に穴を開けますので、熱の影響がないのはアジア人にとっては大きなメリットになります。
アジア人の皮膚は、熱の影響を受けると色素沈着を起こしやすいという人種的な不利要素が白人種と比べて大きいため、熱を利用する治療には注意が必要なのです。
日焼けして皮がむけたり、日焼け後に肌が黒くなった経験はどなたもお持ちのことと思います。
日焼けは一種のヤケドで、熱の影響でヤケドした結果、メラニン色素が増え、肌が小麦色になるのです。
白人種の皮膚はほとんど肌が黒くならない、つまり色素沈着を起こさないのです。
熱の作用を利用する治療では、アジア人の場合、治療後の副作用としての色素沈着が厄介な問題になります。
治療後に肌がくすんだり、シミができてしまうなどの副作用がしばしば発生します。
もう一点が、密度です。
フラクショナルレーザーは機種や設定、そして照射方法によっても異なりますが、単位面積当たり約10%の範囲にレーザー照射を行って、皮膚の入れ替えを図ります。
ダーマペン4は1秒間で約2,000か所のマイクロチャネルを作成でき、全体的に隙間なく埋め尽くすような当て方をしますので、より高密度に皮膚の入れ替えを促進します。
エネルギーの設定で簡単に影響を大きくできる『熱』の効果はありませんが、より広範囲を高密度に治療できるマイクロニードルセラピーは副作用の発現のリスクがないことを考慮すると、アジア人にとっては安全性の高いメリットの大きな治療であると考えられます。