レーザー脱毛によって副作用が起こるのは、レーザー脱毛は高温の熱で毛根にダメージを与えるメカニズムだからです。
熱を加える以上、どうしても肌に負担をかけることになります。
特に、照射時の熱が高温すぎる場合や、肌の状態が健康でないときには、肌にも大きなダメージを与えてしまうことがあったり、脱毛後、何のトラブルもないように思えても、肌が予想以上にダメージを受けている場合もあります。
レーザー脱毛は安全性の高い施術なので、重篤な病気を引き起こすなどの副作用はありませんが、リスクはゼロではないので、副作用を起こす可能性はあります。
ただし、リスクがあるのはレーザー脱毛に限ったことではなく、自己処理であっても肌トラブルなどの副作用が出てしまうこともあります。
毛抜きでのムダ毛処理は、毛穴を傷つけてしまうことで「毛嚢炎」や「埋没毛」などのリスクが高くなりますし、カミソリでのムダ毛処理も、肌荒れなどの副作用が伴います。
どの部位でも、どのような体質であっても、すべてのムダ毛処理にはリスクが伴うのです。
医療レーザー脱毛は肌にレーザーを当てて施術を行うため、少なからず副作用があることは避けられないのですが、なるべくリスクを低くすることはできます。
副作用をなるべく起こさないための予防法や対処方法について詳しく解説いたします。
脱毛後の数時間から翌日にかけては、肌に赤みやヒリヒリ感が出ることがありますが、レーザー脱毛を行った患者様のほとんどに起こる現象であるため、それほど心配することではありません。
レーザー脱毛の場合は、毛根のメラニンに反応して生じた熱によって毛根組織を破壊し、脱毛効果を得ています。
施術後は毛穴全体が熱を帯びて、「軽い火傷をした状態」がしばらく続くため、そのダメージが表皮に赤み・かゆみ・むくみ(炎症性浮腫)という症状として現れるのです。
毛穴が赤くなっているだけの状態なら、レーザー脱毛後2~3日で治りますが、肌まで赤くなってしまっている場合には、1週間~10日くらいかかります。
照射した部位を化粧水や乳液で保湿しましょう。
赤みがなかなか治らない場合には、冷やしたタオルを肌に当てて冷却することで対処することができます。
肌が炎症を起こしている時に、外に出て紫外線を浴びてしまうと、肌の炎症がひどくなったりシミになったりするため、外出する際はUVケアをしっかりして肌を守るようにしてください。
これらの対処を適切に行っておけば、赤みの原因となる炎症を早めに抑えることができますが、どうしても炎症が治らなかったり、ヒリヒリとした痛みが長く続くようであれば、当クリニックまでご連絡ください。
レーザー脱毛は毛根へ直接ダメージを与えて脱毛するため、その際に発生する熱によって毛穴の部分がポツポツと点状に赤くなって腫れることがあります。
まず痛みがある場合は、冷やしたタオルや保冷剤を使用して患部を冷やすことが大切です。
しっかりと冷やした後は、化粧水や乳液を使用して十分な保湿を行ってください。
すぐに適切な処置を行っておけばヒリヒリとした痛みは2~3日で、赤いブツブツは1週間も経つと自然に消えてなくなります。
1週間以上経っても痛みや赤いブツブツが改善されない場合は、当クリニックまでご連絡ください。
レーザーによる熱はかなり高熱になることも多く、ムダ毛だけではなく肌にもダメージを与えてしまい、火傷状態になることがあります。
ほとんどの場合、肌や毛の質に合わせて脱毛機の出力レベルを適切に調整することで、火傷などの肌トラブルは避けられますが、肌が健康な状態でなかったり、日焼けしていたり、色素沈着やホクロがあったり、ムダ毛の剃り残しがあったりすると火傷を起こしやすくなります。
脱毛後、3日以上経過しても赤みや炎症がおさまらなかったり、黒ずみなどの色素沈着がみられたりする場合は、軽度の火傷が疑われます。
症状が進んでしまうとミミズ腫れのように腫れたり、水ぶくれができたりすることもあります。
また、肌色が濃い人や、肌が乾燥してコンディションが悪いときも、火傷リスクが高まる傾向があるので注意が必要です。
レーザー脱毛によって火傷を負ってしまった場合には、まずは患部を冷やしてください。
清潔なタオルを冷たく濡らして患部に当てる、保冷剤を使うなどが効果的です。
クールダウンして赤みや痛み、腫れが治まった場合は、そのまま様子を見ても大丈夫です。
冷やして数日経ってもよくならない場合は、当クリニックまでご連絡してください。
火傷による痛みやかゆみは、炎症を鎮静化する薬を塗布することで治まります。
■火傷による炎症の予防のために
肌が火傷や炎症を引き起こすと、皮膚はとても乾燥した状態になります。
かゆみや赤みが引いたとしても、そのままでは皮膚はまだ乾燥した状態です。
乾燥肌は熱が皮膚に伝わりやすくなるため、火傷を起こしやすくなってしまう危険性もあるため、肌の保湿は非常に重要です。
また、乾燥した肌にレーザーを照射すると肌の水分が奪われ、さらに乾燥が悪化してしまうため、普段からこまめな保湿を心がけましょう。
脱毛後の肌に、ニキビ状のブツブツができることがあり、これを「毛嚢炎」と言います。
毛嚢炎は脱毛後、肌が乾燥しやすくなり、肌のバリア機能が下がって少しの刺激で毛穴が傷つき、ブドウ球菌などの雑菌が感染して起こります。
ニキビとの違いは、かゆみや痛みがないことや、中央に芯がない点です。
炎症が軽度であれば自然に治りますが、悪化すると赤みを帯びてきます。
自己処理や脱毛後に保湿などのケアが不足していた場合もなりやすいですが、数日~1週間程度で症状は治まります。
痛みやかゆみがあるなど、重症化しなければ特別な対応は必要ありませんが、発疹の範囲が広がったり、膨らんできているなどの症状が出てきた場合は、当クリニックにご連絡ください。
多くのケースでは、数日~1週間ほどで自然と治癒していきます。
抗炎症効果のある軟膏を塗ったり、抗生物質を服用したりすることで症状を治すことが可能です。
毛嚢炎は無理に潰さないことと、脱毛後は肌を清潔にして原因となる雑菌をなるべく少ない状態にしておくことが大切です。
化粧水などに殺菌効果があるものを使ったり、寝具やタオルなどは清潔なものを使うようにしましょう。
顔や背中などの産毛や細い毛が、レーザーの刺激によって濃くなってしまう現象が「硬毛化」です。
はっきりとした原因はわかってはいませんが、発毛組織を破壊するまでに至らなかった熱が返って毛根を刺激してしまい、活性化した毛穴から太い毛が生えてしまうことが原因だと考えられています。
火傷や毛嚢炎などの肌に起きるトラブルとは違い、ムダ毛そのものに起きてしまう副作用です。
発生する確率はごくまれですが、産毛などの細い毛が生えている部位に起こりやすい傾向があります。
▶硬毛化の対処法
硬毛化は、はっきりとした原因がわかっていない以上、完全に予防することは難しい副作用です。
そのため、予防よりは起きてしまったあとの処置が重要になります。
当クリニックでは硬毛化が起きた場合に、硬毛化した毛に対してレーザーの種類や設定を細やかに調整し、照射します。
繰り返し施術を行うことで改善することがあります。
脱毛の施術後、強い日焼けや摩擦などの刺激により、一時的にシミのように着色することがあります。
時間経過とともに軽快していきますが、脱毛期間中は日焼けや刺激に気を付けてください。
炎症後の色素沈着が起きた場合、ハイドロキノンなどの美白剤を使用する場合もあります。
刺青やアザ、ホクロのあるところに照射すると、それらの色味が抜ける場合があります。
まれにレーザー照射部位のメラニン量が減り、白斑症になる場合があります。
レーザーによる副作用をゼロにすることは難しく、同じ患者様でも脱毛回数や脱毛部位、体調や生活リズムによっても発症率が異なります。
当クリニックでは、お一人お一人に合わせた最適な脱毛施術を行えるよう、患者様の肌質や毛質、体調、脱毛に関するご希望などを正しく把握する場としてとらえ、副作用に配慮した脱毛施術に取り組んでおります。
また、以下の項目は患者様に守って頂きたい【副作用を起こさないための予防法】です。
▶予防法① 保湿する
脱毛には、肌の乾燥が大敵です。
肌が乾燥していると、バリア機能が落ちて肌トラブルを引き起こしやすくなってしまいます。
肌の乾燥を防ぐために日頃からこまめに、保湿しておくことが大事で、特に脱毛後の肌はとても乾燥しやすくなっているので、アフターケアはしっかり行ってください。
レーザー脱毛は肌に直接ダメージを与えることはありませんが、毛根へのダメージは大きく、毛穴が塞がることで発汗組織や肌のターンオーバーに影響して肌が乾燥しがちになります。
▶予防法② 禁止事項を守る
脱毛を始める前のカウンセリングなどで脱毛前後に避けるべき行動について注意喚起しています。
脱毛当日の入浴や激しい運動、飲酒などは、体に熱がこもって副作用に発展してしまいやすいことから、避けた方がいいですい、予防接種を受けたときや体調がすぐれないときなども、肌が敏感に反応して副作用を起こすリスクが高くなります。
脱毛を受けるときには必ず脱毛前後にしてはいけないことの説明があるので、しっかり守るようにしてください。
▶予防法③ 自己処理を控える
脱毛期間中は、できるだけ自己処理を控えるのがベターです。
施術と施術の間は、数カ月程度の期間を空けるのがほとんどで、自己処理が必要なときはしても構いませんが、カミソリや毛抜きでの自己処理は避けてください。
肌を傷つけてしまい、次の脱毛のときに副作用につながる可能性があるからです。
どうしても必要なとき以外は自己処理自体をなるべく避け、自己処理する際は電気シェーバーを使うなどして、できるだけ肌に負担をかけないように気をつけてください。